2022年は、日本に鉄道が開業して150年になります。鉄道は文明開化に大きな役割を果たしたのです!
1872(明治5)年(5月仮開業、9月全線開業)に日本で鉄道が開業し、新橋・横浜間の全長およそ29kmを53分で走りました。現在のだいたい倍の時間がかかっていますが、当時は徒歩で10時間、人力車で半日かかっていたので、それに比べると革新的な速さです。
新橋-横浜間の料金は、1等車で「金一両二朱」で現在でいうと約1万5,000円とお高めですが、当時は乗る人が絶えなかったそうです。
鉄道がもたらした変化をひも解いてみましょう。
初詣
今では当たり前になった初詣(はつもうで)ですが、鉄道によって生まれた風習だと知っていましたか?
江戸時代の新年のお参りは、正月の三が日にしたわけではありません。その年の縁起の良い方向にある寺社の縁日に合わせて参拝していたのです。
ところが鉄道が開業すると状況が一変しました。ちょっとした贅沢気分も味わえると鉄道でお参りに出かけるようになりました。さらに明治時代になって、正月の三が日が休日になったことも人気を加速させました。
明治18年1月2日の新聞記事には、「元日から三が日の間は川崎大師へ初詣」と書いてあります。
汽車に乗るということは、当時特別な楽しみだったようです。たまにしか乗れない汽車に乗れる、しかもご利益に授(さず)かれ、誰もがお休みである正月の三が日の休みに行った方がよいだろう。汽車に乗って川崎大師あるいは成田山へ行こうという、初詣のスタイルがどんどん盛んになって定着していったのです。
時代の観念
江戸時代の時間は、昼と夜で2つに分けて、さらに昼間は6等分していました。例えば日の長い6月だと暮れ六つ(日没)は午後7時頃ですが、12月だと暮れ六つ(日没)は午後5時頃です。
鉄道を「暮れ六つ出発」とすると、上記例でも2時間異なってしまいます。そこで西洋の24時間制を導入したのです。
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