京都の醍醐寺では毎年8月5日に、いのちに感謝する万灯会(まんとうえ)という行事が行われます。
世界遺産である京都の醍醐寺には、京都で最も古い木造建築として有名な五重塔(国宝)があります。この醍醐寺では、毎年8月5日の夜に万灯会が行われます。境内にはおよそ300から400の提灯(ちょうちん)や灯籠(とうろう)が並べられ、明かりが灯されます。五重塔や金堂もライトアップされます。人々は様々な明かりのもとで、祈りの時を過ごします。また、金堂内部で万灯会の法要が営まれます。
万灯会(まんとうえ)とは?
万灯会という行事は灯籠、提灯やロウソクに明かりを灯し、全ての命に感謝の祈りを捧げる行事です。万灯会は醍醐寺以外でも様々な場所で行われおり日本でも古くから行われていますが、仏教が始まったインドでは仏教が始まる前から、火や明かりに祈りを込めるという行事が行われていました。特に供物を火にくべて天に上るというというのは、人にとって非常にわかりやすい供養の仕方ですので古くから引き継がれ、そして中国から日本へと伝わり、先祖供養と結びついたのが万灯会かと思われます。
近年はお盆の前後に行われますが、万灯会は非常に歴史のある行事ですので、かつては春、秋や年末など様々の季節に行われていました。いのちを大切に考えるということが、ご先祖様を大切にするという思いに繋がり、最近は8月に行われることが多いようです。
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