国立西洋美術館(通称:西美)は松方幸次郎の松方コレクションを展示するため建設され、1959年に開館後、2016年に「ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献」という名称で、日本における20世紀の建築物として初めて世界文化遺産登録されました。
国立西洋美術館が世界遺産に登録された理由についてひも解いていきましょう。
(松方コレクションについては、一番下の関連リンク先にてご紹介しています!)
国立西洋美術館が世界遺産となったのはなぜ?
国立西洋美術館を建築したル・コルビュジエがすごい人だから
ル・コルビュジエ(1887-1965)はスイスに生まれ、フランスで活躍した建築家です。フランク・ロイド・ライト、ミース・ファン・デル・ローエと共に「近代建築の三大巨匠」と言われたり、ヴァルター・グロピウスを加えて四大巨匠と言われることもあります。とりあえずル・コルビュジエは、三大巨匠の一人ですので、近代建築で高い評価を受けている人物ということがよくわかります。
またル・コルビュジエは、建築だけでなく、海外やデザインでも高い評価を受けています。ル・コルビュジエの建築模型、図面や家具20点以上がニューヨーク近代美術館に収蔵されています。1997年4月からスイスで使用されている10スイスフランの紙幣にはル・コルビュジエの肖像画と作品が描かれています。
国立西洋美術館を建築したル・コルビュジエはなぜすごいのか?
ル・コルビュジエは、建築・デザイン界の革命児です。それまでのヨーロッパの伝統的な建物の特徴である装飾のない石を積み上げた高い壁から、鉄筋工クリートを使用した開放的な空間を作り出したことが評価されています(建築構造の革命)。
このル・コルビュジエ建築を代表するデザインが国立西洋美術館のエントランス部分に使用されています。その他ル・コルビュジエの国立西洋美術館建築におけるこだわりポイントは、詳しくは下記リンク先からどうぞ!わたしは、ル・コルビュジエのこだわりポイントから、ル・コルビュジエの日本愛と、芸術に対する愛を感じます。
日本にある世界遺産 国立西洋美術館にル・コルビュジエが残した謎とは?ル・コルビュジエは国立西洋美術館に富士山をつくった!?
国立西洋美術館は、ル・コルビュジエの建築構造の革命を反映した建物であることから世界遺産として登録されたのです。
近代建築に囲まれている現代の私たちとっては、国立西洋美術館はなぜ世界遺産なの?と疑問に思ってしまうかもしれませんが、国立西洋美術館は近代建築の原点と知ると世界遺産であることに納得ですね。しかも今も古さを感じさせない、素敵な空間です(私は国立西洋美術館の常設展が大好きで、月2回金曜日の国立西洋美術館に通っていた時期があります)!
国立西洋美術館とともに世界遺産に登録されたル・コルビュジエの建築物
ル・コルビュジエの建築のうち、国立西洋美術館、ドイツのヴァイセンホーフ・ジードルングの住宅、アルゼンチンのクルチェット邸、ベルギーのギエット邸、フランスのラ・ロッシュ=ジャンヌレ邸、ペサックの集合住宅、サヴォア邸、ナンジェセール・エ・コリ通りのアパート、ユニテ・ダビタシオン、サン・ディエ工場、ロンシャンの礼拝堂、カップ・マルタンの小屋、ラ・トゥーレット修道院、フィルミニのレクリエーション・センター、インドのチャンディーガル、そしてスイスのレマン湖畔の小さな家およびイムーブル・クラルテの計7か国17件は、2016年に開催された第40回世界遺産委員会にて、「ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献」として世界遺産に登録されました。
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