私の大好きな国立西洋美術館が2020年10月から改修工事のため閉館していました。
国立西洋美術館ではリニューアルオープンを記念して、2022年6月4日から9月11日まで「国立西洋美術館リニューアルオープン記念 自然と人のダイアローグ -フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで-」を開催しています。企画展の説明は他のサイトにお任せして、私は国立西洋美術館の改修工事についてひも解いていこうと思います。
国立西洋美術館の改修期間、いつリニューアルオープンしたの?
国立西洋美術館は2020年10月から約1年半、施設整備のために閉館し、2022年4月にリニューアルオープンしました。
国立西洋美術館の改修何と後、何か変わったの?
国立西洋美術館の改修の大きなポイントは下記の2つです。
前庭の地下の部分にある企画展示室の空調・防水設備の更新
1959年の国立西洋美術館の開館当初の姿に近づける改修
国立西洋美術館の開館当初の姿に近づける改修とは?
国立西洋美術館は、2016年に「ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献」という名称で、日本における20世紀の建築物として初めて世界文化遺産登録されました。しかし、その際に当初の設計意図が失われているということも言われていました。そのような背景から当初の設計に近づける目的で改修工事が行われました。
「設計意図が失われている」と指摘されたのは、国立西洋美術館の前庭の部分です。そのため、今回の国立西洋美術館の改修で前庭が大きく変わりました。
国立西洋美術館がなぜ世界文化遺産登録に登録されたかについては下記リンク先でご紹介しています!
1959年の国立西洋美術館の開館当初の姿と改修ポイント
開館当初は国立西洋美術館の前庭には、ぽつっと小さな芝生があるだけで、ほぼ何もない状態で広々としたル・コルビュジエらしい設計となっていました。しかしその後、国立西洋美術館の前庭に大きな立派の植栽が加えられました。
改修ポイント:前庭の植栽をなくすとともに、柵を変え開館当初の前庭に近づけました。
また、国立西洋美術館の前庭には(国立西洋美術館の建物エントランス側からみて)T字の線があり、国立西洋美術館の敷地内への入り口は、ロダンの地獄の門の向かい側(敷地の西側)にありました。開館当初(敷地の西側)の入り口から入り、T字に沿って進むとまず右側にロダンの「考える人」が見え、突き当りにロダンの「地獄の門」を鑑賞でき、T字の角で曲がると建物のエントランスに行けるというデザインでした。すなわちT字のラインは動線でした。しかし近年の国立西洋美術館の前庭の石畳には、いろいろな継ぎ目が増え、T字がわからない状態になっていました。
T字がハッキリわかるように、目地を加えるとともに、西側に門を新設しました。
国立西洋美術館リニューアルオープン後、お得になったポイント!
1階中央の「19世紀ホール」は今まで常設展エリアでしたが、リニューアルオープン後は入場無料エリアになりました。
「19世紀ホール」は三角形の天窓から自然の光りが降り注ぐ吹き抜けの空間があり、その上には三角屋根が乗っている解放感のある空間です。三角屋根の秘密等「19世紀ホール」や、その他国立西洋美術館の建物や、ル・コルビュジエの設計の意図などについては、下記リンクでご紹介しております。
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