日本の牛乳の歴史とは?牛乳はいつ頃から飲まれていた?日本で酪農が始まったのはいつ?学校給食に牛乳が出るようになったきっかけとは?今もビン牛乳はある?牛乳ビンのフタの歴史とは?

今回は日本での牛乳の歴史をひも解いていきましょう。

日本ではいつ頃から牛乳が飲まれていた?

日本でも牛乳を飲む歴史は古く、今から約1400年前の聖徳太子が活躍していた時代には、牛乳を飲んでいたという記録が残っています。ただ、その後残念ながら飲用が定着せず、戦国時代の頃になると、牛よりも戦で使う馬のほうが重宝されるようになり、牛乳は次第にのばれなくなっていきました。


日本で酪農が始まったのはいつ頃から?

日本で今につながる近代的な酪農が始まったのは、今からおよそ300年前の江戸時代です。8代将軍徳川吉宗の時代です。インドから牛3頭を輸入し、現在の千葉県房総半島で飼育が開始されました。千葉県には日本酪農発祥の地の記念碑があります。とはいえ、この時代牛乳は身分の高い人のための高級品でした。

日本に牛乳を飲む習慣が広まったのはいつ?

1871年に明治天皇が毎日2回牛乳を飲むという記事が新聞に載ると、国民の間にも牛乳を飲む習慣が普及しました。そして日本における牛乳の歴史を語るうえで外せないのが、戦後の学校給食です。


学校給食に牛乳が出るようになったきっかけとは?

1947年に戦後の学校給食が開始されました。子どもの栄養不足が問題になり、アメリカからの支援を受け週2~3回ミルクとおかずの給食が提供されました。ただ、当時給食に出されていたのは、新鮮な牛乳ではなく、脱脂粉乳をお水(お湯)に溶かしたものでした。脱脂粉乳とは、牛乳の脂肪分と水分を取り除き粉状にしたものです。長期保存が可能でアメリカからの輸送に適していました。この当時は品質管理があまり整備されていなかったこともあり、そんなにおいしいものではなかったそうです。しかしその高い栄養価のおかげで、当時の子どもたちの栄養状態を劇的に改善させることができました。

牛乳パックの歴史とは?

その後、生の牛乳が安定して供給されるようになり、1960年頃には全国の学校給食で国産の牛乳の提供が開始されました。この頃おなじみだったのは、ビンの牛乳です。また粉末のコーヒー牛乳の素(もと)なども給食に出て、子どもたちに大人気でした。

そして東京オリンピックがあった1964年頃にビンより軽くて運びやすい、三角の紙パックの牛乳が登場しました。その後大量に積んで運べるよう改良され、今の主流となっている四角や三角屋根の紙パックが導入されました。


今、ビン牛乳が姿を消しつつある?

森永乳業は2024年3月に95年に渡り扱ってきたビン牛乳の販売を終了しました。他にも小岩井乳業も2021年に全て紙容器へ移行しています。500ml未満のビン入り牛乳の生産量は10年で約3分の1に減少しています。

その一方で創業60年を超える牛乳メーカー大沢牛乳のように、ビン牛乳にこだわる独立メーカーもあります。ビン入りの牛乳や、ビン入りコーヒー牛乳を合わせて1日500本製造しているそうです。しかし、コスト的にかなり厳しい状況のようです。ビンの回収、洗浄のための機械のメンテナンスなど、コストがかかるのだそうです。さらに追い打ちをかけているのが、ビンの原価の高騰です。製造に必要なガラスの輸送費の高騰や円安などの影響もあり、2023年3月の牛乳ビン1本50円だったのに対し、現在では1本80円ほどに値上がりしました。そんな状況ですが大沢牛乳では、ビン牛乳を楽しみにしてくれているお客様がいるので頑張って続けてくださるそうです。


牛乳ビンのキャップ(フタ)の歴史

1960年代後半までの牛乳ビンのフタには、販売された曜日が記載されていました。このフタが使われたいた当時は、一般家庭にあまり冷蔵庫が普及していなかったこともあり、牛乳は販売されてから早いうちに消費しないといけなかったので、月曜日から日曜日までの一週間分の表示で十分だったのだそうです。1933(昭和8)年に発売から日にちがたった牛乳か見て判断できるようにこのような表記が取り入れられるようになりました。しかし1960年代に家庭にも冷蔵庫が普及していき、牛乳の保存期間が延び、曜日の記載だけでは対応できなくなり、1968年に製造日を記載するようになりました。


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