伊勢神宮 正宮の三種の神器の1つ八咫鏡(やたのかがみ)とは?伊勢神宮の鳥居の特徴とは?

伊勢神宮は2000年ほど前、天照大神の社をこの地に建てたことが始まりと伝わります。京都が都となったのちに刻んでいた1200年前よりも、はるかに長い歴史を誇ります。今回は、伊勢神宮についてひも解いていきましょう。

まずは、大鳥居(宇治橋鳥居)をくぐり、その先に延びる宇治橋を渡ります。伊勢は大自然の中にあり、五十鈴川(いすずがわ)の流れの上流にも山があり、式年遷宮(式年遷宮とは、20年に一度正殿などを新たに造り替え天照大神に新宮に遷りいただくお祭り)の樹木を育てる場所から湧いており、その水は海に流れ込みます。伊勢の町全体がお清めされているようですね。

伊勢神宮に手を清める手水舎はありますが、本来は五十鈴川で手を清めます。五十鈴川のほとりの石畳は、江戸時代桂昌院(江戸幕府3代将軍徳川家光の側室で5代将軍綱吉の生母)が寄進をしたと言われています。五十鈴川の流れは清らかさの象徴!眺めるだけで心があらわれるようです。

心身を清めたら、正宮へ向かいましょう!


伊勢神宮に祀られている三種の神器の1つ八咫鏡(やたのかがみ)とは?

答えは、伊勢神宮 内宮の御神体です。詳しくひも解いていきましょう。

伊勢神宮は内宮(ないくう)外宮(げくう)の2つの正宮があり、祀られている神様が異なります。内宮は皇大神宮(こうだいじんぐう)といい、八咫鏡(やたのかがみ)が御神体で、天照大神をお祀りしています。八咫鏡(やたのかがみ)は、皇位のしるしとして受け継がれる三種の神器の1つです。

天皇陛下が関わる宮中祭祀は年間30以上があるそうで、宮中三殿のなかで中心となる賢所には、天孫降臨(てんそんこうりん)の際に、天照大神が瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)に授けた八咫鏡が御神体として祀られておりますが、実物は伊勢神宮の内宮(ないくう)に奉安(ほうあん)されていて、賢所(皇室)にある八咫鏡は、この御神体を象って作った形代(かたしろ=レプリカ)なのだそうです。なお、この八咫鏡のほか、八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)と草薙剣(くさなぎのつるぎ)を合わせたものが「三種の神器(じんぎ)」と呼ばれています。八尺瓊勾玉は、御所にある天皇の寝所の隣、「剣璽(けんじ)の間」に、草薙剣の形代とともに安置されており、草薙剣の本体は、愛知県名古屋市の熱田神宮に祀られているそうです。


伊勢神宮の鳥居の特徴とは?

伊勢神宮の鳥居は神明(しんめい)鳥居とよばれ、よく目にする鳥居とは形が少し異なります。鳥居の柱の上のある笠木(かさぎ)や貫(ぬき)が直線的、一般的な鳥居の真ん中にある額束(がくづか)も見られません。これは古い鳥居の形ともいわれています。神社の鳥居にはあるものの、伊勢神宮の鳥居にないものとは何でしょう?狛犬などがないのです。その代わりに柱の部分に榊(さかき)を付け、「ここはご神域ですよと、ここは心を清らかにして入ってください」と参拝者に伝えています。


伊勢神宮の正宮とは?

伊勢神宮は、いたるところに大木があるので、自然のエネルギーが強い場所と考えられます。その中でも正宮(しょうぐう)正式には皇⼤神宮(こうたいじんぐう)は、唯一無二の聖域で凛とした空気に満ちています。

正宮の正面には奥が直接見えないように御幌(みとばり)という白い布が掛けてあります。参拝者の間では、御幌が揺れるのは、神様がやって来た合図だと言われているそうです。

正宮の奥の御正殿は、唯一神明造(ゆいいつしんめいづくり、他では見られない御正殿の特別な建築様式)と呼ばれ、日本の最高の神様なので唯一なのですが、京都にも伊勢神宮の建物を取り入れた神社、元伊勢籠神社(もといせこのじんじゃ)があります。


元伊勢籠神社とは?

荘厳な雰囲気に包まれた境内にある本殿は、伊勢神宮とほぼ同じ様式でヒノキ使った神明造です。近くに眞名井神社(まないじんじゃ)という奥宮があり、天照大御神と豊受大御神が並んで4年間祀られており、まず天照大御神が伊勢神宮に移り、その後500年たってから豊受大御神が伊勢に移ったのです。また、元伊勢籠神社の本殿の「五色の座玉(すえだま)」(青、黄、赤、白、黒)は、伊勢神宮の正殿と元伊勢籠神社の本殿にしかない貴重なものです。

元伊勢籠神社は天橋立近くにあります。詳しくは下記リンク先でどうぞ!

天橋立は神話・伝説に出てくるパワースポット!天橋立の4大絶景スポットをご紹介!


伊勢神宮の正式名称とは?

伊勢神宮の正式名称は、ずばり「神宮」!なぜ地名である伊勢が抜けているのでしょうか?

まずは、神社と神宮の違いとは何でしょうか?神社は広く一般に使われますが、神宮は皇室の祖先となる神、天皇や、天皇ゆかりの神を祀る神社でしか使えません。例えば京都の平安神宮は平安京をつくった桓武天皇と京都で生涯を終えた最後の天皇である孝明天皇を祀っており、東京の明治神宮は明治天皇と皇后の昭憲皇太后を祀っています。

伊勢神宮が祀る天照大神は、天皇の祖先とされ八百万の神々の中心にたつ日本で最も重要な神様ですので、伊勢神宮は別格で全国の神社の最高位の神社なのです。だからこそ正式名称は地名を付けず、神宮なのです。公式サイトでもその表記になっています。


伊勢神宮の外宮とは?

内宮の北西およそ5kmのところに位置するのが外宮と豊受大神宮で、祀られているのは豊受大御神(とようけのおおみかみ)。なぜ伊勢神宮は内宮と外宮に分かれているのでしょうか?豊受大御神は米や衣食住 産業の守護神で、天照大神はあるとき私は一人で食事をするのはとても大変だから、豊受大御神をよんでほしいと言われたので、内宮がでできた500年後(今から1500年前)に外宮が天照大神のお食事を司る御饌津神(みけつかみ)としてお迎えされたのです。そのため伊勢神宮には、神様にお供えするための米を育てる専用の田んぼ神宮神田があり、毎年春に田植えをし、秋になると豊かな実りを神にささげるのです。


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江戸時代のお伊勢参りについては、下記リンクでご紹介しています。

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