駅弁(Zkiben)の歴史とは?日本初の駅弁とは?駅弁パッケージ、おいしさの秘密とは?

コロナ禍からの鉄道利用者数の回復もあり、駅弁人気がが高まっているようです。全国の鉄道の中心東京駅の主要な駅弁売り場8つの合計でみてみると、最も売れた2024年12月30日の売上は約3万6000食で、年間612万食以上を売り上げているのだそうです。

日本の駅弁は海外でも有名で、2021年11月から日本の鶏めしなどの駅弁を扱うお店がフランスパリのリヨン駅に期間限定で出店した際は、期間中完売の日も多くでるほど好評だったそうです。そして外国人旅行客向けサイトでも駅弁(Ekiben)の特集が組まれるほど!色々なおかずが入って、見た目も美しく、簡単に持ち運べて便利と大人気なようです。本日は大人気の駅弁の歴史・秘密をひも解いていきましょう。


駅弁の歴史とは?

 日本初の駅弁とは?

1885年に大宮-宇都宮間の約79kmが開通しました。現在は東北新幹線で30分もかかりませんが、当時は約3時間半かかりました。そんな長旅ならおなかも空くので、宇都宮駅でお弁当の販売が始まりました。これは日本で初めての駅弁として有力な説となっています。日本初の駅弁の中身はおにぎり2個とたくあん2切れで、価格は5銭で現在の価格でいうと1800円なのだそうです。当時鉄道利用者は富裕層ばかりということもあり、駅弁は高級グルメだったのです。

旅行ブーム到来

1950年代以降、日本が高度成長の時代に入ると生活にもゆとりができ、空前の旅行ブームが到来しました。1959年には日本初の修学旅行専用列車「ひので」「きぼう」が運行開始されました。1960年代には新婚旅行ブームにのって新婚旅行専用列車「ことぶき」も大活躍しました。さらに当時は就職のために上京する若者を乗せた集団就職列車もありました。鉄道が人々の長距離移動の足として定着した時代でした。長距離移動に駅弁は欠かせませんね!

1958年に今も人気の益子焼の容器が特徴の峠の釜めしが発売されました。この陶器の入れ物は冷めにくく、お客さんにも大好評で大ヒット駅弁になりました。1960年代は駅弁のゴミを座席の周囲にポイ捨てする乗客が多く、社内はゴミの山ということもしばしばあったそうです。中には、窓から捨てる人もいたそうで、鉄道の周辺で問題になっていました。しかし、この釜めしの容器は、捨てずにおみやげとして持ち帰る人が多かったことから、ポイ捨てされるゴミも減って国鉄からの評判も良かったそうです。


1980年代後半、空前のバブル景気に突入しました。バブルの真っただ中の1989年には2000円の高級志向の駅弁も登場しました。

そして1990年代以降駅弁は、見た目のインパクトを重視して容器ににこだわった駅弁がたくさん登場しました。たとえば、子どもに大人気の新幹線型容器の駅弁や、茨城の水戸黄門にちなんで印籠(いんろう)型容器の駅弁、さらに牛の顔のフタを開けるとオルゴールがなる駅弁がありました。容器にこだわる駅弁で多いのが、たこ飯や有田焼カレーのような陶器系の駅弁です。なかでのパイオニアと言える駅弁が前述の1958年に発売された益子焼の容器が特徴の峠の釜めしです。


駅弁のパッケージの秘密とは?

普通のお店でじっくり選ぶのとは異なり、駅弁を選ぶときは「新幹線の出発まであと〇分!」というようにタイムリミットがあるので、「牛肉」「いくら」「地元の名産」など、どんなお弁当なのか直観的にわかるパッケージがとても大切なのだそうです。人気の駅弁のパッケージは、「牛肉どまん中」など牛肉のお弁当であることが明確なネーミングであったり、おいしそうな写真やイラストを使って、何が押しなのか一目瞭然(いちもくりょうぜん)になっています。

またこだわりの駅弁の容器もありますよね。ひっぱりだこ飯(兵庫県)は、真だこ、アナゴ、季節の野菜を兵庫県明石市のたこ漁のたこツボ風陶器にもりつけた駅弁で,1998年の発売以来累計1300万食以上を売り上げてきたヒット駅弁です。たこツボ風陶器は通常紙のフタがついているのですが、このツボ容器を家でも繰り返し使いたいという声を受け、ツボ容器のフタだけを販売したところ4日間で3500個を売り上げたそうです。

駅弁ならではのおいしさの秘密とは?

24時間体制で1日1万食以上の駅弁を作っている埼玉県戸田市になるJR系列の駅弁工場の、一番のこだわりは「レンジがなくても、冷めたままで食べられるように」ということにこだわっているそうです。冷めてもおいしい駅弁の工夫とはどのようなものなのでしょうか?

パサつかないように水蒸気で調理

約300℃の水蒸気での熱で魚や肉などの食材を調理しています。水蒸気で包み込むように焼き、水分が出ていくのを抑え、しかも高温で素早く焼くことから表面はこんがりサクッと仕上げつつ、内部はふんわり焼き上げることができるのだせおうです。水分がしっかり残っているので、冷めてもパサパサにならずにふっくらおいしいのです!

安心の工夫

できたでのおかずを瞬時に冷却機で冷やしていきます。-5℃の冷気を上下からあてることで、熱々の食材を20℃以下に一気に冷却します。菌が繁殖しやすい20℃から50℃の温度帯をすばやく通過させることで、細菌の繁殖の可能性を押さえてくれるのです。駅弁は地方から東京駅まで輸送して販売することもありますし、街のお弁当に比べて製造から口にするまでの時間が長いことが多いため、その分菌の繁殖に気を付けているのだそうです。


季節に合わせた水分量や火加減の調整

そして駅弁に欠かせないのがご飯ですが、ここにも冷めてもおいしい工夫が施されています。気温も湿度も低い冬はご飯が冷めるとパサつきやすいため冬は水分多め、逆に夏は水分少なめにするなど、季節に合わせて水分量や火加減を調整しているのです。

繊細で多様な盛り付けの秘密

調理が完了したら人海戦術で一気に盛り付けです。埼玉県戸田市になるJR系列の駅弁工場では、盛り付けを分担し、約25人で駅弁を完成させるのだそうです。盛り付けのラインは5本、総勢120人以上で同時に5種類の駅弁を作っていくのだそうです。こちらの工場では、1日に30種類以上の駅弁を作っていて、一つのラインで作るお弁当も一日に何度も変わるため、機械化が難しいのだそう。すなわち、1日にに各ラインで1人に6~7種類ずつのお弁当を製造するため、数多くの駅弁に対応するための機械のコストや、その都度設定を変更する時間を考えると機械化は難しのです、また駅弁は長時間の輸送で中身がくずれないよう、できるだけ隙間を作らない計算された盛り付けで細かな作業が多いのだそうです。


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